創業の思い

おはようトラベルは、高齢のため日常生活にサポートが必要な方、または、病気や障害などで旅行をするために何らかのサポートが必要な方のための旅行会社です。

「誰も好きで老人になるわけではない。誰も好きで障がいをもって生まれるわけでもない。いま元気な私たちもいつの日か必ず、歩けなくなり、立てなくなる。障がい者になる。今サポートが必要な人たちの役に立つことが、いま元気に動ける人たちの仕事である。」尊敬する師がそう話をしたとき、自分がやるなら何かを考えてみました。そこで思い出したのは、祖父が亡くなる少し前に言った「富士山が見たい」という一言でした。

「富士山が見たい」といった97歳の祖父は二度目の大腿骨の骨折でベッドから起き上がることができない状態でした。もういつ死んでもいいよと弱気な祖父に「おじいちゃんなにかほしいものある?」というようなことを不用意に聞きました。そうしたら「富士山が見たい」という言葉が返ってきた。私はそのリクエストに応えることができませんでした。難しいと思い込んで、そのための努力もしたとはいえませんでした。その経験が、私の心の中のチクチクするものとして残りました。長らく働いた会社を離れ、これを仕事にしたいと思ったのは、40代後半で、実際に始められたのは51歳の時でした。

移動に不便を感じる人の中には、ここに行きたい、あの風景を見たいという希望を持つ人が大勢いるはずです。本当は、毎日毎日の日常から離れて、いろんな人に出会い、いろんな風景やいろんな味を楽しみたいのに、もうむりだよね、とあきらめかけている方々に、「それ、できるでしょう。こうしてみませんか。」と働きかけていきます。

旅の出発から帰着までの心配事を解消して「この道この宿この施設なら旅を楽しめます。」とご案内し、その「行きたい」を実現していきます。

また、ご本人やご家族にとって、旅の心配事が最小限になるように宿や観光施設、交通機関、他の旅行会社などと協力して日本の旅のアクセスのインフラを整えていくことを実践していきたいと思います。

日本の美しい景色を日本を愛するだれもがその目と耳で感じられるようになってほしい。日本の文化や歴史を学ぼうとするすべての人がそれに触れられるような世の中になってほしい。

望む人なら誰でも、旅の朝のわくわくする「おはよう!」を年に何度かは言えるということ、それが私のこれからの25年の旅のゴールです。

野村国康

2018年11月1日

おはようトラベル株式会社
代表取締役 野村国康

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