東京旅行介助&おもてなし研修 「高尾山」実施報告

2021年10月17日の東京旅行介助&おもてなし研修のご報告です。

昨年12月に計画したものですが、1年近く時間がたってやっと実現しました。が、あいにくの雨模様。

夜半から降り続く雨の中、高尾登山鉄道の清滝駅に集合しました。緊急事態宣言も明けた秋の行楽シーズンの真っ最中、本来であれば行楽客でごった返す高尾山ケーブルカー乗り場も人はまばらでした。

お昼に向けて天候回復との予報に期待しつつ、行程の見直し・変更をし、TAKAO599 MUSEUMを最初に訪問することとしました。このように天候その他の状況によっては、安全性や身体的負担を考え、参加者の合意を得たうえで柔軟に対応することが重要です。

高尾山の自然の素晴らしさを登山者に教えてくれるTAKAO599MUSEUMでは、入館前に施設としての高齢者・障がい者への配慮を確認し、共有しました。車いすユーザーの低い目線だといかに展示品が見にくいかを体験した後、取手付きミラーを受付でお借りして、展示物を車いす利用者にも見やすくする工夫を研修しました。

また、今回は視覚障がいの当事者の方にも同行をお願いし、旅行介助&おもてなしのアドバイスをお願いしました。展示物へのご案内では声掛け、手引きの方法、展示品の説明のポイント等を体験しました。全体から部分へという原則にのっとって説明すると「うーんわからない」とのコメントが。館内をくまなく説明する必要はなく、コミュニケーションをとりながら、その人の興味に沿った案内をすることの重要性を学びました。

気になる雨も弱くなる様子もなく、窓の外は相変わらずしぐれています。とりあえず中腹の薬王院まで登ることし、車いす研修の準備をします。今回は登山ということで急坂や悪路で強みを発揮する、車いすけん引装置JINRIKIを使用します。登山前にJINRIKIの装着研修をしてから、さあ高尾山に出発です。

高尾登山鉄道では車いすユーザーのケーブルカーへの乗降を研修しました。ホームは急な傾斜ですが、その傾斜に合わせて作られているスロープで水平な面が作られ、また、段差を解消することで、車いすでも乗降可能となります。木製のスロープは形状が三角形で、水平に入るよりも、やや上から下って入る感じで乗車するのがよさそうです。ケーブルカー終点の高尾山駅では、ホームからエレベーターで地上に出られます。

さて、ここから、薬王院に向け出発ですが、雨は弱くなる気配がありません。そこで緊急雨対策・防寒対策の研修です。90ℓのごみ袋を利用した即席ポンチョやアルミ断熱シートを洗濯ばさみで取り付けて防水・防寒の方法を学びます。

高尾山や蛸杉についての観光ガイド研修を経て、女坂での坂道車いすサポート研修を行いました。長く続く急坂をJINRIKIを使わないで1人で介助、JINRIKIを使い前後2人で介助及び前2人後ろ1人で介助とパターン別に研修し、介助される側の安心感、介助する側の身体的負担度などの差を体感しました。

薬王院では願叶輪潜(ねがうかなうわくぐり)の車いす介助の挑戦や本堂への30数段の階段で想定されるケース等講師の経験を交えて研修を行いました。薬王院の脇道から入っていく山頂までの車いすルートを確認した後、雨の様子から転倒や車いすの横転等のリスクを考慮し、残念ながら山頂へ向かうことを断念しました。

今回の研修は低山ではあるものの雨の山岳観光という貴重な研修機会となりました。急坂や悪路を安全性を考え、案内する方の体力や体の調子を考えて無事ご案内するために何が必要かについて考えることは経験として生かせると思います。


当日の様子は、こちらからご覧ください。