東京旅行介助&おもてなし研修第4回「黄葉を楽しむ新宿旅」を11月15日に実施しました。楽しく歩き、しっかり学ぶ半日となりました。
集合場所の千駄ヶ谷駅、イチョウの黄色があざやかで青い空に映えます。1か月半ぶりの再会に「やあやあ」という人たちがいれば、初めての参加で緊張気味の人も。介護関連の職場で働く方、新宿御苑を実際にご案内する予定があるという方、視覚障がい者のサポートをされている方、高齢者の移動支援のための電動カートの開発に携わる方、などなど、今回も多様なメンバーです。
日曜の朝9時の新宿御苑の千駄ヶ谷門は、まだ人もまばら。研修の手始めは、チケットカウンターでのユニバーサル対応調査です。障がい者対応の設備や入園料の割引などを確認します。その後、講師の室井さんから「おもてなし」のための案内、新宿御苑の概要と歴史が説明され、みなさん聞き漏らすまいと「研修」モードに。
秋のバラの花を楽しみ、軽量電動カートNOAA Mobile Xの体験乗車などもしながら、旧高遠藩主内藤家の下屋敷庭園であったという日本庭園に到着。玉藻池のそばで、段差介助などを練習しました。その後、中央休憩所では講師の齋藤さんがトイレの介助の基本を指南。視覚障がい者のサポート経験者からのインプットなどもあり、多様な障がいへの対応を学ぶ機会となりました。
新宿御苑を出てすぐそばの停留所から新宿WE BUSに乗車しました。新宿を3路線で回るバスですが、このバスはバスタ新宿から新宿御苑、新宿三丁目、区役所通り、歌舞伎町、西武新宿を通り、新宿大ガードを抜けて新宿西口にでるルート。ディープな新宿を気軽に車窓から楽しめるバスです。運転手の方が手際よくスロープを設置してくださり、乗降もスムーズでした。
新宿駅西口京王百貨店前でバスを降りた一行は、都庁展望室に向かいます。車いすでの散策時には何はなくともルートの事前確認が大切。普段なら何気なく通り過ぎる数段の階段が立ちはだかって、大回りしないと目的地にたどり着けないことがあるからです。オンライン事前学習会の後下見をしたという熱心な参加者のリードで、迷いなく都庁展望室に到着しました。都庁展望室エレベーターは新型コロナ感染対策もばっちりで乗客数を制限すると同時に乗客がエレベータを降りた後もしっかり換気をしてから次の乗客を乗せます。すこし時間がかかるものの、安全の確保は第一です。
展望室での案内について学んだ後、東京都の観光案内時の予習スポットである1階の東京観光情報センターを見学、さらに心肺蘇生トレーニングキット「あっぱくんライト」を使っての救命救急訓練を行いました。高齢者・障がい者の旅行に同行する際にはとても重要なことで回数を重ねることがとっさの時に行動につながります。今後も折に触れて組み入れていきたいと思います。
最後に、2018年に改装・新設された京王プラザホテルのユニバーサルルームを見学しました。障害のあるなしにかかわらず快適に過ごせるさまざまな工夫、避難経路や避難用の準備などについて説明を受け、快適さと安全対策の両立を実現するという取り組みを学ぶことができました。
参加者の皆さんからはこんなコメントをいただきました。
- 「新宿御苑を自信をもってご案内できます。」
- 「介助のほか、観光ガイドの役目、自身の感想で語るなど勉強になりました。」
- 「小手先のテクニックや経験ではなく『対応力』が大事というメッセージについて深く共感します。」
- 「電動カートの操作も簡単で乗り心地もよく将来歩くことが難しくなっても旅はできると安心してます。」
- 「京王プラザホテルのユニバーサルルームがとても参考になりました。非常時に車いすで避難できる手段も考えられていることを知りました。」
参加者の皆さまから、ほかにもいろいろなアイデア、ご要望をいただきましたので、今後に活かしていきます。
研修報告動画も併せてごらんください。
今後、第5回 12月13日(日) 「ミシュラン三ツ星の高尾山へ」、第6回 2021年1月17日(日) 「柴又帝釈天への初詣」 を予定しています。ご案内はこちらから。(11月末の感染拡大傾向は予断をゆるしませんが、感染拡大に歯止めがかかることを願いつつ、準備を進めています。)
[…] 第4回 11月 新宿御苑 都庁 京王プラザホテル […]