ご両親や配偶者があるタイミングで介護が必要な状況になると、当たり前かもしれませんが、介護に集中せざるを得ない状況になります。ですから、それまで家族でよく旅行に出かけていた人も、もう無理、と思ってしまうことも多いと思います。しかし、休みも必要です。逃げ場のない介護で自分が参ってしまっては元も子もありません。そんなときはレスパイトを考えましょう。
一つは、介護から全く離れて自分のための時間をとる、ということ。ほかの家族の協力や、ショートステイなどを利用して、自分自身のためのゆったりした時間をとる。美しい山を見るために遠くに行ってもいいし、近所の喫茶店でゆったりしてもいいと思います。そうすることで、ストレスが解消できて介護のときの心のゆとりにもなるでしょう。
もうひとつは、要介護の家族と一緒に旅をする、という方法です。それは、その家族のためでもあり、自分のためでもある旅行です。そこで、一緒においしいものを食べたり美しい景色を見たりするときと、離れてゆったり自分の時間を過ごすときの両方を持つのです。旅行にいっても奉仕するばかりであれば自分自身の息抜きにはなりません。逆効果です。ですが例えば、2泊3日の旅行で真ん中の一日だけ、要介護の方はゆったりコース、他の家族はアクティブコースなどという形でそれぞれ楽しく過ごす、ということも家族全員として旅行を楽しく過ごす方法だと思います。
介護は基本的には長距離走になります。ですから、それに合わせた走り方をすることが重要だと思います。そのための手段の一つとしてプチ一人旅や、家族みんなでのレスパイト旅行を考えるもよいと思います。
そして、一度うまくいけば、ききっとまた、行きたくなるのです。